「ハイブリッド型総合書店」が売りのhonto。紙の本の通販・電子書籍の購入どちらもできるストアです。
会員数も400万人を超える大手ストアですが、実際に使ってみないと、自分にとってよいかどうかは分からないですよね。
そこでこの記事では、hontoを使って感じたメリット・デメリットを正直に書いています。また管理人は他の電子書籍ストアを多数利用した経験があるので、他のストアとの比較も合わせて行いました。
これからhontoの利用を考えている方は、ぜひ参考にしてみて下さい!
hontoを使って感じたメリット
新規会員限定で30%OFFクーポンがもらえる
新規会員限定で、全員30%OFFクーポンがもらえます。
最近は多くのストアが新規購入時の割引クーポンを配っていますが、hontoのクーポンは1冊だけでなく何冊でも30%OFFされるのが特徴。(割引額は最大5,000円まで)
有効活用するなら、最初の一回はまとめて買うとお得です。
クーポンの一覧表示が超便利
「お知らせ」(もしくは「クーポン一覧」)で、今使えるクーポンをまとめて見れるのが便利です。
hontoはクーポンの類が多く、だいたい常時5つ以上は割引されているため、まとめてもらえると「今何が安いのかな~」と探す手間が省けますね。
読割50はうまく使えばお得
「読割50」とは、紙の本と同じ電子書籍を買うときに、電子書籍の料金が50%オフになるサービスです。
対象の本には「読割50」の表記があり、下のように電子書籍の金額が半額になります。
「紙で買ったけど、いつでも持ち歩けるように電子の方でも欲しい」という場合、Amazonや他の電子書店で買うと基本的には高くなってしまうので、両方そろえたいときはお得な機能です。
紙の本の通販もできるhontoならではのサービスですね。
丸善・ジュンク堂・文教堂などの書店と連携している
hontoは全国の丸善・ジュンク堂・文教堂などの大手書店と連携しています。(他には、DNPプラザ・啓林堂・戸田書店・ブックスモア・函館栄好堂があります)
一番のメリットはポイントを共有できることでしょう。hontoで貯めたポイントは丸善・ジュンク堂・文教堂などでも使えますし、逆もOKです。たとえばhontoのネットストアで同月に紙の本・電子書籍を1,000円以上買って、ジュンク堂でも1,000円以上買えば翌月はポイント4倍です。
電子・通販・リアル書店を一緒に使うことでポイント料率が上がる
hontoは「電子書籍ストア」「紙の本の通販ストア」「リアル書店」の3つを連動させています。
3つのストアのアカウントは統一ができます。同じ月に税込み1,000円以上使うと「そのストアを使った」と判定され、2ストアの利用で翌月のポイント料率が2倍、3つ全部使うと4倍になります。
全書籍4倍のポイント料率は他の書店でもほぼ見かけない高い還元率なので、「電子も紙も買うし、リアル書店(丸善・ジュンク堂・文教堂などの提携書店)にも足を運ぶな~」という方であればhontoはかなりオススメ。
アプリが多機能
アプリ(本のビューア)は他のストアにもよくある便利機能もそろっており、なおかつオリジナルの機能もあります。
アプリ機能 | |
---|---|
ズーム | ○ |
しおり | ○ |
自動ページ送り | × |
目次ジャンプ | ○ |
縦読み | ○ |
ダウンロード中の読書 | ○ |
本文検索 | ○ |
マーカー | ○ |
その他機能 | コメントを書く 明るさ調節 タップエリア変更など |
5台の端末まで同期可能、マーカーなども共有
1つのアカウントで5台まで、パソコンやスマートフォン、タブレットのアプリを同期できます。
本棚の共有はもちろん、マーカー・コメントも他の端末と共有することが可能です。
コミックにもメモを残せる珍しい機能
hontoアプリを使っていて驚いたのは「マンガにもコメントを残せる」機能があることでした。
「活字の書籍ならコメントを残せる」アプリはいくつかあります。ですが、マンガにも残せるのはAmazonKindleやeBookJapanなどのアプリにも実装されていない珍しい機能です。
専門家が数千冊からおすすめしてくれる「ブックツリー」
「ブックキュレーター」と呼ばれる専門家がまとめたブックツリー(「ダークヒーローコミック」「歴史ファンタジーコミック」など様々な切り口でオススメの本をまとめてくれているページ)という機能があります。
ただのジャンルごとのオススメ本のまとめならよくあるのですが、hontoブックツリーの特徴は「こちらの興味関心に合わせてブックツリーを表示してくれる」ことです。
それまでの閲覧・購入の履歴から判断しているのだと思いますが、こちらの好きそうな切り口に絞ってトップページに表示してくれるので、「今まで知らなかったけど、欲しかった本」が見つかるかもしれません。
おまけ:ロバート秋山のクリエイターズファイルが面白い
メリットというよりおまけですが、ロバートの秋山さんが出演している「クリエイターズファイル」がhontoで連載されています。
多い回はYoutubeで400万回以上再生されているほどの人気コンテンツですので、知らなかった方は見てみるといいかも。ちなみにオススメは上の第15回です。
hontoを分析して分かったデメリット
電子書籍しか買わない場合、ポイント面でやや損
メリットで取り上げた「電子・通販・リアル書店を一緒に使うことでポイント料率が上がる」ですが、あくまで電子書籍・紙の本・リアル書店のうち2つ以上を使うことが前提になっています。
もし電子書籍しか使わないのであれば料率は標準の1%のままなので、たとえば購入金額が増えるとポイントが2~3%になるBookLive!や、まとめ買いや先行予約で5%のポイントがつくeBookJapan、書籍の還元率と割引率が高いAmazonKindleなどと比べてやや損になってしまいます。
品ぞろえが他の大手ストアより少ない
上のグラフは2018年1月時点の主要ストアの取扱い冊数です。hontoは81.7万冊で一見、一番多いように見えますが、もともと1巻分の本を分割して販売しているのが33万件近くあるため、純粋な取り扱い作品数はトップのストアより少なめです。
このグラフで見る限りはAmazonKindle、楽天kobo、BookLive!、eBookJapanに次ぐ5位ですが、書籍はAmazonKindleに大差をつけられていますし、コミックは自社で電子化しているeBookJapanの取り扱いが多く、hontoは書籍もコミックも中途半端…という印象です。(決して少ないわけではないんですけどね)
実は三期連続で大赤字
2018年6月までhontoを運営していた株式会社トゥ・ディファクトは、2015~2017年の3年連続で営業利益が赤字でした。(2018年7月に親会社の「大日本印刷株式会社」に運営元が変更されました)
2015年度:約19億の赤字
2016年度:約12億の赤字
2017年度:約10億の赤字
と、電子書籍業界全体としては上向きの中での連続赤字なので、サイトが閉鎖されてしまう可能性も考えると少し怖い気もしますね…(なおトゥ・ディファクトはhonto以外に大きな収益先もなかったため、単純にhonto自体が赤字だと思われます)
通販は発送がAmazonに比べて遅い
hontoの配送はDM便で3日~5日かかるのが目安です。(都市部なら1~2日でも届くと思います)
これはAmazonと比べると明らかですが、プライム会員なら早くて当日に届くので、Amazonの便利さと比べてしまうとどうしても不満が出てしまいます。
また、夜間の注文は翌日発送扱いになるのもマイナスポイント。
※当サイトはあくまで「電子書籍サイトの評価」がメインですが、hontoの場合は「電子と紙の通販の同時利用」の面が大きいので通販面の評価も入れました
リアル書店がない県も多い
メリットで挙げた「『電子・通販・リアル書店』それぞれで1,000円以上利用するとポイント4倍」ですが、そもそも提携するリアル書店がない県が14県もあります。(2018年9月時点)
リアル書店がないのは、山形・富山・石川・福井・和歌山・鳥取・島根・山口・徳島・高知・佐賀・長崎・熊本・宮崎。なお1店舗しかない県も岩手や福島など13県あります。
東京や大阪などの大都市であれば数十店舗あるので書店との連動は問題ないと思います。しかし地方になればなるほど、ネットストアとの連動は難しいのが現状です。
hontoの詳細情報
サイト情報
hotno | |
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運営会社 | 大日本印刷株式会社 東証一部上場 |
サービス開始年月 | 2011年1月 |
ユーザー数 | 410万人(2017年) |
ユーザー男女比 | 49:51(2017年) |
購入方法 | 単品購入 まとめ買い |
SSL(サイトセキュリティ) | 対応 |
会員登録に必要な個人情報 | メールアドレス 氏名 性別 生年月日 |
メールマガジン | 『電子書籍ストアメール』など6種類 すべて配信停止も可能 |
サービス開始が2011年なのはBookLive!と同じですね。ちなみにBookLive!の2017年6月時点の会員数は260万人なので、会員数の伸びはhontoの方が優秀です。
ダウンロード期限なし・保存もいつでもOK
hontoのダウンロード期限は2014年7月に完全撤廃されました。一度買えば半永久的にダウンロード可能です。
また一度買った本はクラウド上に保管され、いつでも端末に保存できます。スマホの容量が少なくなって消したとしても、また保存し直せるのは便利ですね。
PC・スマホ・タブレット全ての端末に対応
以下の端末に対応しており、1つのアカウントで5台まで買った本を共有できます。
- Windowsパソコン
- Macパソコン
- iPhone/iPad/iPad mini
- Andoroidスマートフォン/タブレット
なお「Kindle」「Kobo」など他のストア専用端末では、hontoで買った本を読むことはできません。
電子書籍の支払い方法は9種類
紙の本の通販ストアは支払いに使える方法が違う点には注意しましょう。
決済方法 | 備考 |
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クレジットカード | VISA/Master/JCB/AMEX/Diners Club/Vプリカ 一部のデビットカードは利用できない |
ドコモspモード決済 | |
auかんたん決済 | |
ソフトバンクまとめて支払い | |
WebMoney | |
BitCash | |
リクルートかんたん支払い | リクルートIDが必要 |
LINE Pay | |
hontoポイント・クーポン | ポイントはhonto・丸善・ジュンク堂での購入や、キャンペーンなどで貯まる |
※以下は電子書籍で利用できない決済方法です | |
コンビニ支払い | 本の通販ストアのみ |
代引き | 本の通販ストアのみ |
MobileEdy | 本の通販ストアのみ |
モバイルSuica | 本の通販ストアのみ |
iD | 本の通販ストアのみ |
Tポイント | いずれも利用不可 |
np後払い | いずれも利用不可 |
hontoの安全面
運営会社は大日本印刷
運営会社は2018年7月から大日本印刷株式になりました。1876年に創業した世界最大規模の総合印刷会社です。東証一部に上場しています。
デメリットでも挙げましたが、運営元がトゥ・ディファクトだったときは三期連続で赤字が続いたため、サイト閉鎖などの危険性は少し減ったかな?と感じます。
ちなみに以前の運営元だった株式会社トゥ・ディファクトは「まんがこっち」という電子コミック専門サイトも運営しています。ただしまんがこっちは色々と問題があるため、当サイトとしては推奨していません。
クレジットカード明細にタイトルは載らない
明細には「大日本印刷株式会社(honto)」などが記載されます。購入した本のタイトルなどは一切、記載されません。
ワンステップ購入は取り消しも可能
ワンクリックで購入できるボタンもありますが、間違って購入した場合でもキャンセルができるので安心です。
hontoの評価まとめ
料金(4.5点)
数多く発行されるクーポンやキャンペーン、ポイント2~4倍になる制度など料金面は非常に優れているストアです。
品ぞろえ(4.5点)
国内の主要ストアの中では実質5番目に取り扱い数が多いです。
使いやすさ(4.0点)
良くも悪くも「電子書籍・紙の本の通販・リアル書店の連携」がウリのため、これらを連動させてはじめてhontoを最大限に活用できます。
ただ、デメリットで挙げた「リアル書店が一軒もない県が14県」などの現状を考えると、すべての人がフル活用するのは難しいのではないかと思います。
安全性(4.0点)
サイトのセキュリティや信頼性は問題ありません。
やはり引っかかるのが「hontoの運営自体が大丈夫?」という点ですね。
総合評価(4.0点)
「電子書籍と紙の本は、敵ではなく仲間です」とトップページに書いてあるように、電子も紙もセットで使う方に嬉しい機能がそろっているのがhontoです。
「電子書籍は確かに便利だけど、紙でとって置きたい本もあるし、両方使いたいな」という方にはとくにオススメできるサイトですね。
他の主要ストアとの比較
AmazonKindle
hontoと同じく通販と電子書籍を両方行っているストア。
正直、配送の早さや取り扱い数では勝てないが、Amazonではできないリアル書店との連携や、特定のジャンルのクーポン配布ができるのはhontoの強み。
BookLive!
同じ2011年にスタートしたストアで、電子書籍のみに特化している。
電子書籍しか使わない、という方は一考の余地あり。